たまおのブログ

たまおです。

本におかえりなさいませ。

先日、本を買いました。

今回の記事のタイトルは、挟まっていた栞にあった言葉です。

 

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「本におかえりなさいませ。」というこの言葉は、作家の原田宗典さんによる蔦屋書店のキャッチコピーだそう。あの店ほんとオシャレ空間ですけど栞までとは……。いちおう調べたんですが、氏がこの言葉にどんな想いを込めたのかはわからなかったので、自分的に感じたことを。

 

買ってきた本を読もうと扉を開いて栞が目に入ったとき、文字どおり「ただいま」という返事が頭に浮かんできました。もしも電子書籍の画面上に同じ言葉が出てきたら、優秀なロボットから言われているような感じがしたかもしれません。でも栞に書いてあったこの一言からは、熟練の執事というかお手伝いさんというか、そういう存在からの温かみのある言葉に思えました。「おかえり」でも「おかえりなさい」でもなく「おかえりなさいませ」というのが、受け手に対するリスペクトを感じさせるからでしょうか。細かいことを言うと、最後に句点(。)があるのも“人が発している言葉”感があって、しっとりとしたイメージがあります。

 

ここ最近、本の購入は圧倒的に電子書籍Kindle)が多いです。Kindleだと本棚を圧迫しないし、何冊も持ち歩く必要がないのでめちゃくちゃ便利なんですよね。でもやっぱり本が持つそのものの“重み”や、「あの一文があったのは本全体の厚みのこのあたり」みたいな感覚を得られるのは、紙に勝るものはないなとつくづく感じます。

 

手で触れる感触、紙とインクの匂い、ページをめくったときの僅かな空気の動きと音、そういうアナログ感がいい。自分が本を買うときに電子と紙のどちらにするかは、主に「ずっと手元においておきたくなるかどうか」「ふと欲したときに何度も読み返す可能性があるかどうか」で決めています。その本が自分にとっての導き手になりえるか、というのが近いかもしれません。

 

そして「おかえりなさいませ。」のあとは「さて、どんな言葉が必要ですか?」という問いかけをされているような気がしました。いまの自分にしっくりくる言葉や一節に出会えることを期待しつつ、読み進めてみたいと思います。